今回は、「小規模宅地等の特例」という制度について、わかりやすくご説明します🌸
🏠 小規模宅地等の特例とは?
「小規模宅地等の特例」とは、
被相続人(亡くなった方)等が所有していた土地のうち、
自宅や事業などに使っていた土地の評価額を、一定の要件を満たすことで大幅に減らすことができる制度 です。
つまり、
「亡くなった方の生活や事業の基盤だった土地を、家族が引き継いで使い続けるなら、税金を軽くしてあげましょう」という国の優遇措置です。
📊 対象となる宅地の種類と減額割合
| 土地の種類 | 主な用途 | 減額割合 | 限度面積 |
|---|---|---|---|
| ① 特定居住用宅地等 | 自宅の土地 | 80%減額 | 330㎡まで |
| ② 特定事業用宅地等 特定同族会社事業用宅地等 | 事業に使っていた土地 | 80%減額 | 400㎡まで |
| ③ 貸付事業用宅地等 | アパート・駐車場などの貸付用 | 50%減額 | 200㎡まで |
🌷「特定居住用宅地等」とは?
この中で利用が多い、「特定居住用宅地等」=被相続人等が住んでいた自宅の土地 です。
💡 減額のイメージ
- 評価額の 最大80%が減額
- 330㎡まで(約100坪) が対象
たとえば、評価額が4,000万円の自宅の土地でも、
→ 4,000万円 × (1 – 0.8) = 800万円に!
👪 適用を受けられる人(誰が相続するかで変わります)
| 相続人のタイプ | 特例の適用 | 条件 |
|---|---|---|
| 配偶者 | ◎ 無条件でOK | 居住の有無を問わず適用。 |
| 同居親族 | △ 条件付き | ・相続の開始(=亡くなった日)の直前から、「相続の開始の翌日から10か月」まで引き続きその建物に居住すること。 ・「相続の開始の翌日から10か月」までその宅地等を有していること。 |
| 別居親族 | △ 条件付き | ・配偶者、同居親族がいないこと。 ・相続が始まる前の3年以内に、 自分や自分の配偶者、または近い親族(親・子・兄弟など)等が持っている家に住んでいなかったこと。 ・「相続の開始の翌日から10か月」までその宅地等を有していること。 ・その他一定の要件 |
🧾 特例を受けるための手続き
この特例は「自動的に」使えるわけではありません。
相続税の申告時に「適用を受けます」と申告書へ明記し、
一定の書類を期限内(相続の開始の翌日から10か月以内)に提出する必要があります。
書類の不備や添付漏れで、後から否認されることもあるため注意が必要です。
⚠️ 注意点
- 期限(10か月)を過ぎると使えません。
申告が遅れると適用できなくなるため、早めの準備が大切です。(例外もあります。)
💼 他の宅地との併用はできる?
「特定居住用宅地等」と「特定事業用宅地等」は、
一定の条件で併用も可能です。
ただし、合計の減額面積には上限があります。
複数の土地がある場合は、どの土地に特例を使うか慎重に検討する必要があります。
🌸 まとめ
- 「小規模宅地等の特例」は、相続税を大幅に減らせる非常に重要な制度
- ただし、要件が色々あるため、注意が必要
この特例は、「知っているかどうか」で相続税が何百万円も変わる制度です。
しかし、「同居していたつもりが要件を満たしていなかった」「老人ホーム入所中で判断に迷う」など、
実際には細かい判断が必要なケースが多いです。
相続税の申告期限(10か月)を過ぎると特例が使えなくなるため、
まずは早めにご相談ください🌿
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