近年、NISA(少額投資非課税制度)は30代などの資産形成層だけでなく、退職後の資産運用を目的とした高齢層にも利用が広がっています。
では、NISAで運用していた親などが亡くなった場合、その資産はどうなるのでしょうか?
🔍 相続でまず知っておきたいポイント
NISA口座で運用していた株式や投資信託などの資産は、相続人のNISA口座に移すことはできません。
つまり、NISAの「非課税のメリット」は死亡時点で終了します。
相続人が金融機関に死亡を連絡すると、
その時点で**「死亡日の終値」でNISA口座から課税口座に払い出される扱い**となります。
その後、相続人の誰が引き継ぐかが決まると、故人の課税口座から相続人の課税口座に資産が移管されます。
このとき、相続人が引き継ぐ資産の**取得価格は「死亡日の終値」**となります。
⚠️ NISAと課税口座で異なる「取得価格」
ここで重要なのは次の点です。
- NISA口座の場合: 相続人の取得価格は「死亡日の終値」
- 課税口座の場合: 故人の「購入価格」がそのまま引き継がれる
つまり、同じ銘柄でも、どの口座で保有していたかによって将来の売却益の課税額が変わる可能性があります。
📝 NISA口座を相続するときの手続き
相続人が死亡の連絡をすると、金融機関から以下の書類が送られてきます。
- 「相続上場株式等移管依頼書」
- 「非課税口座開設者死亡届出書」など
これに加えて、
- 故人の除籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
- 相続人の印鑑証明書
などの書類を添えて返送するのが一般的な流れです。
また、相続人が故人と同じ金融機関に課税口座を持っている必要があります。
口座がない場合は、死亡確認とあわせて早めに口座開設手続きを行うと移管がスムーズです。
💬 まとめ
NISAは相続時に「非課税」が引き継げないという点を理解しておくことが大切です。
もしご家族がNISAで運用している場合、万一の際の手続きや口座の確認方法を事前に共有しておくと安心です。
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